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■映画「グリーンマイル」

「グリーンマイル」(フランク・ダラボン監督)は確かに泣けた。被害者の少女を救おうとした黒人が殺人犯として処刑される。死刑の意味を問い返すという点では、「デッドマン・ウォーキング」(ティム・ロビンス監督)以上にインパクトがある。

しかし、物語が次第に寓話化されていくので、差別や死刑問題という重いテーマからは離れてしまう。病気を直し死んだネズミを生き返らせる力を持つジョン・コーフィは、その力を誇ることなく、世界中に悪意に満ちた犯罪がまん延してることに心を痛め、生きることを断念し死刑を願う。彼が電気いすで処刑されるシーンを涙なしで見ることのできる人は少ないだろう。目をそむけてきた現実を突き付けられ、心の深いところが揺さぶられる。

物語は緊密で、俳優も演技派ぞろい。ただ、善人と悪人が整然と分けられ、悪人は滅んでいくというのは安易すぎないだろうか。卑劣きわまりない看守パーシー・ウェットモア、良心のカケラもない犯罪者ウィリアム“ワイルド・ビル”ウォートン。この二人ほど救いようのない悪人は近年珍しい。

世界にまん延する悪の問題に切り込みながら、単純に人を区分してしまったことで、テーマが紋切り型になったのは否めない。その方が分かりやすいのは確かだが。そして最後に示された秘密は、私には付け足しにしか思えなかった。トム・ハンクスは確かにうまいが、真の主役はマイケル・クラーク・ダンカンだ。あの涙に満ちた瞳が切ない。

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Japan, Sapporo
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