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■映画「柔らかい殻」

フィリップ・リドリー監督の「柔らかい殻」と出会ったのは1992年10月。今はなき三越名画座で観た後、衝撃とともに「フィリップ・リドリー」とつぶやきながら家路に着いた。フィリップ・リドリーは画家・小説家として知られ、この作品が初映画監督。

1950年代のアメリカという時代の奥行きと緊張感を生かし、少年時代の残酷さと純粋さを描いた作品。数々のアイデアの秀抜さと映像の独特な美しさに圧倒される。

巨大なカエルが破裂する冒頭のシーン、骨に囲まれたドルフィンの家、主人公セスの父親の壮絶な焼身自殺、原爆で被曝した子供の写真を含む3枚の写真の絶妙さ、水爆実験に兵士として参加し衰弱していく兄と、兄の衰えが吸血鬼のためだと考えるセス。基底に核の問題があり、同性愛差別を含めて登場する人物が皆切実な悩みを抱えている。

幻想と現実の切れ目の無さのリアリティなど、魅力を上げていけばきりがない。少年セス役のジェレミー・クーパーは印象に残った。しかしセスの兄キャメロンを演じていたのが、若きヴィーゴ・モーテンセンであると知ったのは、ずっと後のことだ。

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Japan, Sapporo
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