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■映画「ジャンク・メール」

暴力的なアキ・カウリスマキ。ポール・シュレットアウネ監督の長編デビュー作「ジャンク・メール」(1996年)は、そんな感じの作品だ。ノルウエーのオスロを舞台にしながら、描いているのは汚れた街と雑然とした部屋ばかり。

意図して観光的な都市の映像を避けているのは、これまでのノルウエー映画へのささやかな抵抗だろう。しかし冷え冷えとした空気は、いかにも北欧的だ。そこからシケた人間たちの愛すべきドラマが生まれてくる。

人生を半分投げてしまっているような郵便配達員が、ふとしたことから女性を助けることになる。そして騒動に巻き込まれていく。ストーリーの巧みな展開は、周到に用意されていた小道具や場面設定に支えられている。

シンプルなシーンの積み重ねで飽きさせない構成は評価していい。登場人物一人ひとりに確かな生活の臭いがある。物語が拡散したまま、やや甘い結末で終わってしまう点は、不満の残るところだろう。しかし監督が熟考した結果だと思う。朝日は昇り、いつものさえない生活が待っている。

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Japan, Sapporo
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